1時間くらい眠って目を覚ました。
そうか・・・。病院だったな。
コンタクトも付けっぱなしで、目が少し痛い。
午前中、おばあちゃんが来て交代してくれるので、その時いろんな入院用の荷物を持ってくればいい。
昨晩まさか、肺炎、入院になるとまでは思っていなかったので。
でも、まあ、連休中でよかった。
会社に迷惑をかけなくてすむ。
昨年の6月も、病院は違ったけれど肺炎で1週間入院した。
今回はその経験があったので、それほど慌てることはなかった。
先生のお話ではやはり1週間ほど入院が必要かもしれないと言われた。
8時になって朝ごはんが出たけれど、もちろん全く食べれない。
まだ熱も下がりきらず、本人もうつらうつらの状態。
哺乳瓶から、なんとか「アクアライト」やミルクは飲んでくれた。
いったんおばあちゃんと交代して、また病院に戻ってきたときには、病院の4人の相部屋は満室になっていた。
ほとんどが小さい子で、同じような症状のようだった。
熱はだんだんと下がり始めたけれど、鼻のつまりがひどいので何度も吸引器で鼻水をとりに看護師さんがくる。
細いチュープを鼻の奥につっこまれると、「ぎゃぁー」と泣き喚き嫌がる。
あと、どうしても酸素濃度の数値があがってこないので、看護師さんたちが何度も鼻からの酸素吸入を試みるのだが、こちらも泣いて暴れて嫌がり、手ですぐにチュープをはずしてしまう。
でも、入院3日目、とうとう別部屋に連れていかれ無理やりはめさせられた。
その後、1時間半くらい泣き続けたけれど、なんとか慣れて、はずすようなことは
なくなった。
スポンサーリンク
それでも、なかなか酸素の数値があがってこない。
気休めかもしれないが、鼻の酸素吸入+酸素マスクを首からぶら下げておくことになった。
ダウン症なので、基本口が開いてることが多く、寝てるときなどは口呼吸になってるので、その場合は鼻よりマスクからの酸素のほうが体内に入りやすいのでは?という看護師さんたちの考え。
あと、入院前半はご飯を食べてくれなかったことも、回復を遅める要因だったかもしれない。
もともと健常児の子より1年ほど送れているので、ご飯もやっと今1才の子の離乳食のようなものを食べれるようになったKくん。
0才のときから、食に対しての意欲興味が薄かったのが悩みだった。
なので、体がきつい状態で病院での離乳食など食べてくれるはずもなく・・・。
そう思っていたので、看護師さんに相談してみた。
看護師さんもいろいろ考えてくれて。
結局「幼児食のやわらか食」でパンを3食中2食セレクトする形に変えてくれた。
幼児食なのでおかずは少し大きめでくるけど、味がしっかりついているので、こちらで小さくしてあげれば1/3位おかずは食べてくれた。
パンは食パンだったけど、あったかくしてあってとても食べやすく、耳だけとって、一緒についてくる甘いジャムをつけてあげるとパクパク食べだした。
あと、以前の食事にはついてこなかったヨーグルトやフルーツが毎回ついてきたのが良かった。
もともとフルーツが大好きだったので、結構な量だったけど「もぐもぐ」噛んでほとんど食べてしまう。
食に少し偏りはあっても、好きなものをしっかり食べてくれるようになり顔色もよくなってきた。
入院当初まったく笑ってくれなかったけれど、ご飯を食べだして少しづつ笑顔も戻ってきた。
入院4日目くらいになると、Kくんよりあとから入院してきた子達がポツポツ退院し始めた。
カーテン越しに、先生や看護師さんたちと「退院おめでとう!」とはしゃぐ声を聞くのが少しつらかった
焦りと不安みたいなものがこみ上げてきた。
24時間点滴がつながっているので、おしっこの量が半端じゃない。
こまめにオムツを替えるけれど、おいつかず、洋服までびっしょりになるので、その度看護師さんを呼んで着替える。
また寝てても起きててもくるくる動きまわるので、点滴の針の位置が動いてしまい、点滴が落ちなくなって・・。
また看護師さんを呼ぶ。
あとは、4時間おきに気管支の薬を入れて、吸入器を口元にあてる。
鼻がつまれば、また吸引器で鼻水を吸いだす。
とにかくそんな事の繰り返しで。
私たちもKくんを信じてできることをするしかなかった。
連休が明けてからは、仕事がある為、Kくんはおばあちゃんについててもらった。
入院6日目くらいになると酸素の数値が90を切ることがなくなってきた。
5/3の夜、病院にかけこみ5/4から入院。そして5/11の木曜日。
とうとう退院の許可がおりた。
前日くらいから酸素の数値が安定しだし、だんだん吸入のレベルを落とし、0の状態までもっていっても「95」くらいは維持できているので、あとは自宅で薬を飲み数日安静にしてれば大丈夫とのこと。
入院して8日目で退院できたのだから良かった。
酸素をはずしてもらい、点滴もはずしてもらい、体にまとわりついていたいろんな管が外れ。
なんだか、ほっとした表情を見せた。
体は拭いてもらったものの1週間お風呂にも入れず。
きつかっただろうね。
気持ち悪かっただろうね。
退院後、夕方1週間ぶりに顔を合わせたKくんとNちゃん。
その時の2人の笑顔が忘れられない。
お互い私には見せないような特別な笑顔でお互いを見ている。
私はなんともいえない気持ちになった。
それにしても、やはりダウン症の子の場合は普通のかぜと思っていても一気に肺炎になったり、重症化したりするものだ。
あのとき、救急病院に連れて行ってほんとに良かった。
ことばには出せないけれど、どれだけ苦しかったことだろう。
これからも気をつけていこうと思った。