最初の地震の時は、おばあちゃんのアパートにいた。
突然、ドンという音がして突き上げる感じとともにものすごい横揺れ。
おじいちゃんと私で双子におおいかぶさる。
地震だ!
揺れている時間が長く感じた。
双子は、泣いてはいないけど、どうしたんだろう?と不思議そうな顔。
高校生の息子は一緒にいた。
高校生の娘は歩いて帰ってきているから、まだ外。
主人もまだ仕事から帰ってない。
我が家は大丈夫なのか?
火事とかになってないよね?
いっせいに、みんなが携帯を手にして、身内に連絡を取り出した。
娘にもかけた。
でも、つながらない。
皆がいっせいに電話しだしたからだろう。
娘は、10分後無事に帰ってきた。
ほっとした。
主人も30分くらいして帰ってきた。
なんとか、家族がそろった。
でも、その間にも余震が続く。
そのときはまだ、余震は1日くらいでおさまるだろう、とみんな考えていた。
家が心配になったので、歩いて5分くらいの我が家に戻った。
真っ暗で外の状況は分からない。
余震が何度もきて、2階にも上がれない。
築30年近い一軒家。
アパートよりも、強く揺れを感じる。
揺れるたびに、双子のところに駆け寄る。
もし、この家がつぶれてきたら、何かが倒れてきたら、そう思うと、双子のそばを離れられない。
最悪、こたつの下に投げこもうと考える。
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やっと、これ尋常じゃない事態だと皆が感じ始めていた。
外で車の行き交う音がしだした。
いち早く避難を始めた人がいるようだ。
おばあちゃんが心配して、近くに住む親戚を回ったあと、うちにも来てくれた。
食器棚は倒れていなかったけれど、中から食器が飛び出し割れて台所に散乱している。
私はすやすや眠り始めた双子の側を離れることができず、おばあちゃんが、割れた食器を片付けてくれた。
上の娘も息子も2階の自分の部屋には行かず、皆が1階のリビングに集まっていた。
時間は12時近くになっている。
娘は携帯で情報を集め始めた。
「お母さん、明日、水出なくなるかも。」
「お風呂に水、ためたほうがいいよ」とポツリ。
「私、ためてくるね」と。
私はそんなこと頭になく。
その時は分からなかった。
まさか、断水が1週間も続くとは。
娘の行動は正しかった。
娘はさらに、お城の壁が崩れた写真を見せてきた。
嘘でしょ、と思ったが、その後ニュースを見て、それが本当だと分かった。
息子も携帯を手に、友達が避難を始めたことを教えてくれた。
息子は、余震がくると、双子の側にかけよってくれる。
冷静なお姉ちゃんと、優しいお兄ちゃん。
私達親が、しっかりしないと。
まずは、この子ども達の命を守ること、眠らせてあげることが最優先。
12時過ぎにものすごい余震がきた。
この家にこのままいられない。
結局、主人だけ残り、私と子どもはまた、アパートに行くことに。
荷物をまとめ、双子をおんぶと抱っこして、移動。荷物をまとめる時、始めて2階に上がり、服が散乱したひどい部屋をまのあたりにしたけど、どうしようもない。
アパートについたのは、夜中の1時30分。
さすがに双子たちも目を覚ましたが、しばらくしたらまた、寝てくれた。
本当の正念場はこれから。
がんばろう熊本!